標本の作り方
ここでは甲虫の展足の仕方を説明します。
但し、展足の仕方は各自、自分のやり方がありますので、あくまで一つの方法とお考え下さい。
@昆虫の採集データを台紙等から写し取る。(私はパソコンに入力しケント紙で印刷しています)
A良く切れるカッター等で丁寧にパッキングされた昆虫を取り出します。爪などが脱脂綿に引っかかっている
時は無理に取らないで下さい。
Bタッパー等にお湯を入れ(熱湯の方が良い)脚の方が湯に付く様に昆虫を入れます。(軟化と言います。)
この時脱脂綿等に爪が引っかかっていた昆虫は脱脂綿ごと湯に入れます。(臭いがしますので換気を良く
して下さい。)
C1〜3分付けたら、ピンセットで昆虫を取り出してティシュペーパーの上に載せ水分をよく取ります。
湯に付ける時間は昆虫の大きさ、種、色によって違います。大型のカブトやクワガタは長め、小さなカミキリ
などは30秒位で良いです。 微毛のある種は微毛に水分が付かないようにします。色の薄い種は変色する
ことがありますが乾けばたいてい元の色に戻ります。
D大きな甲虫は指でだいたいの形を整えます。未だ硬くて脚など折れそうな時は再度湯に付けて下さい。
触角は針、指などで出しておきます。 小さな昆虫は針やピンセットで、たたまれた脚等出しておきます。
E展足板(発泡スチロール板で十分です)に上から見て右側上部の背中に昆虫針を刺します。針は細い方
から、00号〜6号まであります。
また有頭、無頭の針がありますがあとあとの事を考えると有頭針(針の頭が少し丸くなっている)が良い
でしょう。 (すべらないので昆虫の移動などの時便利です。)
昆虫針は専門店でたいてい通信販売もしています。
針は垂直に刺すよう注意して下さい。
F昆虫針などで脚、触角を整形して固定します。自分の気に入った形の図鑑を横に置いて参考にすると良い
でしょう。 左右対称が基本です。
G1週間位乾燥させます。乾燥したら整形で使った針を抜いてデータを付けて完成です。
フ節・触角が取れた時
フ節・触角等は注意しても取れてしまうことがあります。またクワガタなど(特にミヤマ、フタマタ系)頭がはず
れてしまうことがあります。 私は小さな修理には木工用ボンドを使います。(最初白いが乾くと透明になり適
当に粘着性もあります。水溶性なのでやり直しも利きます)
ボンドをつけピンセットで注意して付け針等で支えて乾くのを待ちます。
頭ハズレなど大きな修理にはアロンアルファを使いますが余計なところに付かないよう注意が必要です。
(乾くと白くなってしまう為)
以上ですが先に言いました通り、これは一つの方法で各自、自分が最良と思う方法でやるのが一番です。
展足の依頼について
展足は自分でやることをお薦めします。(慣れると楽しみになります。)しかし、どうしても展足ができない
場合は、ご相談に乗りますのでご連絡下さい。但し、有料となります。
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